2022年前期版 ゲーム用GPU性能比較
GPU選びは大変‼
パソコンでゲームをプレイするのに必須となるGPU(グラフィックボード)は毎年新型が発表され続けており、それらの情報を追うだけでも一苦労だ。さらに用途や予算によっては旧世代のGPUも選択肢に入ってくるため、旧製品から最新製品までの性能を把握するのはますます難しくなってくる。特に新製品を入手しにくいご時世なため、旧製品に注目するユーザーも増加しており、その性能把握の問題はより一般化している。そこで今回は過去10年間ほどの期間に発売された一般ユーザー向けの”ゲーム用”GPUの位置づけをGeForce、Radeonともに早見表に収め、一目で性能の関係が読み取れるようなシステムを製作した。
GPU性能階級表
早速だが、今回製作したGPUの性能の階級表を披露する。以下の表の左半分がGeForce系GPU(Nvidia)、右半分がRadeon系GPU(AMD)となっている。なお、理論性能ではなく、最近のゲームにおけるパフォーマンスを基準に階級分けを行っているため、発売当初の位置づけとは若干異なる製品も一部存在する。(例:GTX 950は発売当時GTX 760程度とされていたが、最適化などが影響し、近年はGTX 770に並ぶGPUとなっている)
表解説
上記の表は独自のシステムで製作しているため表記の意味を解説する。
配色
階級表の最上列は発表されたGPUのシリーズ、またはアーキテクチャ(基本設計)ごとに、これから購入する人に向けたオススメ度を示している。
灰色で示されたシリーズは最新か最新に近い製品群であり、購入にあたって特に懸念がないことを意味する。
緑色で示されたシリーズは最新ではないものの、メーカーサポートが継続しており、性能的にも現代で通用する製品群だ。これから購入する場合は中古となるが、状態と動作の確認が行えれば特に問題はない。
橙色で示されたシリーズは一部メーカーサポートが終了しており、経年劣化に不安が残るものの、用途によっては現役な性能を有する製品群だ。橙色以降のシリーズのGPUでは最新のゲームは起動しない可能性があるため、互換性のチェックは必須だ。
赤色で示されたシリーズはメーカーサポートが完全に終了しており、性能的にもモダンな環境では不足している製品群だ。特別な理由がない限り、これから購入する必然性は全く無いと言える。
階級分け
左端のアルファベットは各GPUの階級を表している。これはあくまで相対的な評価であり、用途に合わせてグループ分けを行った。
SSS - 最新のゲームを4K以上で高画質、高フレームレートでプレイしたい人向け。平均的なユーザーが購入するにはコストパフォーマンスが低い。
SS - 最新のゲームを1440p以上で高画質、高フレームレートでプレイしたい人向け。数年先のAAAタイトルまでカバー可能である。
S - 最新のゲームを1080p以上で高画質、高フレームレートでプレイしたい人向け。このグレード以上のGPUが一般にハイクラスに分類される。
A - 最新のゲームを1080pで高画質、高フレームレートでプレイしたい人向け。これからゲーミングPCを購入する人で、ゲーミングモニターを利用したい人は要検討だ。
B - 最新のゲームを1080pで高画質、または高フレームレートでプレイしたい人向け。ハードウェアエンコーダーを利用した配信を行う場合はほぼ下限となるグレードだ。
C - 最新のゲームを1080pでプレイしたい人向け。このグレード以上のGPUでなければ新作のAAAタイトルを快適にプレイすることが難しくなってくる。
D - 最新のゲームを低解像度でプレイ、または過去作をメインにプレイしたい人向け。軽量なeSportsタイトルであれば現役な性能を持つ。
E - 過去作をメインにプレイしたい人向け。過去5年以内に発売されたゲームをプレイしたい場合は性能が十分であるか慎重に見極める必要がある。
F - 低負荷な過去作をメイトにプレイしたい人向け。過去7年以内に発売されたゲームをプレイしたい場合は性能が十分であるか慎重に見極める必要がある。
最後に
今回はGPUの性能関係を勉強中の方々に向けて比較表を製作したがいかがだったろうか。便宜上ゲームパフォーマンスの安定しないOEM向け(GTX 745等)、非ゲーム向け(GT 710等)、デュアルグラフィックスカード(GTX 690等)は省略して表を製作したが、過去10年ほどの主流なGPUの位置関係はおおよそ把握していただけただろう。近日中に階級をリンクさせたCPU版の階級表を公開する予定だ。また、GPUも新製品の発表に合わせ、情報は随時更新していく。intelのGPU市場参戦も発表されているため、今後の展開に期待は高まるばかりである。